【愛撫】

  梶井基次郎

 


私はこれを読んでとても和んだのだが、どうだろう?



私も猫を三匹ほど飼っている。

猫は大好きだ。



とくに難しく考えて読まないから、この話は猫が大好きで好奇心旺盛な人の話だと、取り敢えずそう簡単に理解した。



まず、猫の耳に切符切りかなにかで穴をあけたらどうなるだろう。
なんていう好奇心の話。


耳に穴を……とは思わなかったものの、私も猫達がまだ小さいころには、よく猫の頭を口の中に入れてみたりした。


なんと言っても頭が小さいので、ぴったり口の中に入る。

外に出したときのあの驚いたような、嫌がっているような、威嚇しているような………何ともいえない表情をみるのが好きだった。



多分、私のそれとこの話とは、意味が随分違うような気もするが、自分もそんなことをしていたので、猫の耳をかんだときの悲鳴が、クレッシエンドのようだ…なんて考えている登場人物に、なにか愛着を覚える。



そして今度は爪をきったらどうなるか…という想像。


この時の、『そうなったら猫はどう考えるか』を考えている文章が面白い。


何だかテンションが高いような、まるで自分の世界に入り込んでしまった人に話を聞かされているような、そんな感じがして愉快だ。


そして夢の話。


女が自分の飼い猫の腕を切り取り、それを化粧道具にして、外国では流行っているといって平然と使っている。そんな夢。



そこで、女の無神経さや残酷さに、憎しみを覚えたりしているが、なんでまたここでそんな話になるのだろう……

女と猫という組み合わせと、何か関係がある気がするが、まだよくわからない。



そして最後の、猫との戯れというか、猫との絡みがとても可愛らしいと思った。



やっぱ猫だな、猫。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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